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【阿賀町立津川小学校6年生】新潟水俣病を学ぶ授業の様子をレポートします!

 2019年9月から10月にかけて、阿賀町立津川小学校6年生の皆さんに対して「新潟水俣病」についての授業を行いましたので、その様子をレポートします!

まず阿賀町立津川小学校では一学期に日本や阿賀町の歴史を学習しており、この中で新潟水俣病が発生した歴史に少し触れていました。二学期に行われた授業では、新潟水俣病を被害・発生原因・その後の対応の三つの観点に分けてそれぞれを学んでいきました。

まずは新潟水俣病の被害について学ぶため、バスに乗って新潟市北区の「新潟県立環境と人間のふれあい館-新潟水俣病資料館-」を訪問し、新潟水俣病の歴史や概要を学べる映像鑑賞のほか、新潟水俣病の被害者からこれまでの経験や次世代への思いを伝える語り部からお話をお聞きしました(授業時間:午前中の4コマ分)。

今も新潟水俣病の症状に苦しむ被害者が多くいること、そして体の不調だけでなく差別や偏見にも苦しんでいることを身をもって学びました。

 次は、なぜ新潟水俣病が発生したのかを座学と現地見学で学びます(授業時間:午前中の4コマ分)。一般社団法人あがのがわ環境学舎が講師となって座学を行いました。

イラストを主体とした資料を使って、当時の原因工場の製造ラインから新潟水俣病の発生原因までを理解してもらい、昭和20年終戦から新潟水俣病が公式確認される昭和40年までの20年間で、日本がどのように豊かになったのかについて、当時の社会背景と工場で作っていた製品を対応させた年表で振り返りました。座学の最後は、往時の工場周辺の様子がわかる映像作品を鑑賞してもらい、現地見学に備えました。

現地見学もあがのがわ環境学舎のガイドで、工場正門周辺・鹿瀬ダム・工場高台・排水口を巡り、新潟水俣病の発生経緯を現地で確認しました。こちらは排水口での見学の様子。

そうして、最後に現在の工場の内部を新潟昭和㈱のガイドで見て回りました。旧昭和電工(株)鹿瀬工場は現在、関連会社の新潟昭和(株)が操業しており、洗面所やお風呂などの水を流すパイプなどを作っていますが、工場内の排水処理施設とパイプの製品製造施設を見学させてもらいました。

子どもたちは、これまで学習してきた知識が現地見学を通じて、実感・納得できるようになったと同時に、工場の24時間体制の排水対策も確認し、現在の製造現場も見学できたことで、新潟水俣病のその後の工場や阿賀町の対応・現在の工場について理解を深めていました。

最後は別日に振り返りの授業を行いました(授業時間:1コマ分)。

現在の工場の排水処理施設を学んだことから、原因企業が過去から現在に至るまで、阿賀町にどのような影響を与えてきたかについて、これまでの学習や紙芝居教材「阿賀の近代産業ものがたり」副読本による調べ学習を行い、少人数のグループに分かれて意見交換をしました。その後、グループごとに分かったことについて発表をしました。

・工場は阿賀町に繁栄をもたらした。

・工場は世の中に便利な製品を提供した。

・現在は法律の2倍厳しい基準で排水を処理している。

・有機水銀を阿賀野川へ排出してしまい、新潟水俣病を引き起こしてしまった。

そうして12月に行われた「阿賀町子ども未来フォーラム2019」において、学んだことを町民や他の町内の小中高校の皆さんに向けて発表されていました。