総合学習を支援する「阿賀の学習教材サイト」について

 阿賀町における阿賀野川(写真撮影:山口冬人氏)

阿賀野川流域地域(新潟市・五泉市・阿賀野市・阿賀町)には、小・中学生向け環境学習の題材にふさわしい「自然環境や歴史・文化」「魅力的な地域資源」が数多くあふれています。

しかし、それらを総合学習へ適切に取り入れて授業を効果的に行う取組は、近年ますます多忙をきわめる学校の先生方にとって、大変負担の大きいものとなっています。

 

このサイトでは、総合学習を支援する阿賀の学習教材づくりの動きをお伝えするとともに、実際に完成した教材を掲載します。

また、総合学習を担うことができる地域の団体やガイドの方々も、今後順次紹介していく予定です。


本サイトは文部科学省所管のユネスコ活動費補助金によって作成されました!

 

2018(平成30)年度のプロジェクト

 
本サイトは、文部科学省所管の平成30年度ユネスコ活動費補助金「グローバル人材の育成に向けたESDの推進事業(※文部科学省ホームページへリンク)」に応募・採択された補助事業「『阿賀町近代化遺産の光と影を通じたESD-SDGs』小・中学校向け教材化プロジェクト」(=「阿賀町近代産業の光と影」を題材とした教材作成プロジェクト)による取組の一環として作成されたものです。
2019(平成31・令和元)年度のプロジェクト
 
また、翌年度には新たに新潟市も加わって、前年度に引き続き・平成31年度ユネスコ活動費補助金「SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業(※文部科学省ホームページへリンク)」に採択された「『阿賀野川流域地域の光と影を通じたESD-SDGs』教材化プロジェクト」によって、新潟市を中心に阿賀流域で使用できる新潟水俣病学習用の教材が作成されました。

「阿賀町近代産業の光と影」を題材とした教材作成プロジェクトとは?

2018(平成30)年度のプロジェクト

 ▲本プロジェクトで制作された教材

 

このプロジェクトは、文部科学省所管の平成30年度ユネスコ活動費補助金「グローバル人材の育成に向けたESDの推進事業」において、平成30年度から新規に開設された「ESDの深化による地域のSDGs推進事業」に応募して、全国19団体の公募案件の中から採択されスタートしました。


かつて阿賀町で盛衰した鉱山や化学工場などの近代産業について、日本の近代化への貢献や地元社会の繁栄といった「光の側面」と、新潟水俣病などの公害の発生といった「影の側面」の両面を題材として、小・中学生向けの教材を作成するプロジェクトです。以下で、本プロジェクトについて簡単に紹介します。

 

 

2018(平成30)年度 プロジェクトの目的・実施内容について

 

本プロジェクトでは、阿賀町の小・中学生が日本の近代化に貢献した阿賀町の近代産業の変遷を学びつつ、自らが生まれ育つ郷土への誇りや愛着を失うことなく、近代化の過程で発生した環境問題からも教訓を学び取る力を (かん)(よう) するため、ESD・SDGsに基づいた阿賀町の近代化遺産の光と影をテーマとする小・中学生向け教材を制作することを目的としています。

ステップ ❶ 阿賀町の近代産業を調べる

 

阿賀野川上流域で盛衰した近代産業の変遷について、これまで様々な観点から調べられてきました。本プロジェクトでも、小・中学生向けの内容を調査・整理しました。


ステップ ❷ 実際に教材を作成する

 

小・中学生向けにはどのような教材がふさわしいか検討した結果、デジタル紙芝居を中心に教材づくりを進めることとなりました。


ステップ ❸ 検証(モデル)授業を行う

 

デジタル紙芝居がひとまず完成した後、阿賀町内の小・中学校の協力を得て、実際の授業の中で教材を使用する検証(モデル)授業を実施して、教材のさらなる改善を図ります。


 

 

2018(平成30)年度 プロジェクトの実施体制について

本プロジェクトの実施に当たり、「阿賀町教育委員会」「阿賀町役場鹿瀬支所」「昭和電工株式会社」「一般社団法人あがのがわ環境学舎」「学校法人日本自然環境専門学校」の5団体が参画して、本プロジェクトを推進する「ESD-SDGsコンソーシアム」を結成しました。各団体の役割などは下記のとおりです。

阿賀町教育委員会


教材の監修・検証や町内学校との調整を担当します。

ホームページへのリンク

阿賀町役場鹿瀬支所


近代産業の歴史的な知見の整理や教材作成を担当します。

ホームページへのリンク

あがのがわ環境学舎


コンソーシアムの事務局機能と教材作成を担当します。

ホームページへのリンク

昭和電工株式会社


鹿瀬工場などの歴史的な知見の整理を担当します。

ホームページへのリンク

日本自然環境専門学校


ESD及びSDGsに関する専門的な知見の整理を担当します。
ホームページへのリンク

ESD-SDGsコンソーシアム全体会議

5団体が参集して、プロジェクトの方向性を討議・決定する会議です。平成30年度は年3回開催します。

「阿賀流域での新潟水俣病」を題材とした教材作成プロジェクトとは?

2019(平成31・令和元)年度のプロジェクト

 ▲本プロジェクトで制作された教材

 

このプロジェクトは、文部科学省所管の平成31年度ユネスコ活動費補助金「SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業」(※本事業スキームは平成31年度から開始)における「SDGs達成の視点を組み込んだカリキュラム、教材、プロジェクト等の開発や実施、及びその成果の全国的な発信」に応募して、全国45団体の公募案件の中から採択されスタートしました。


かつて阿賀野川流域で発生した新潟水俣病を小学生にも分かりやすいよう整理して、新潟水俣病の被害、新潟水俣病が発生した原因、新潟水俣病が起きた地域のその後…の3パートに分けて、「光と影」の区別なく学べる小・中学生向けの教材を作成するプロジェクトです。以下で、本プロジェクトについて簡単に紹介します。

 

 

2019(平成31・令和元)年度 プロジェクトの目的・実施内容について

 

本プロジェクトでは、阿賀野川流域の小・中学校等において、新潟水俣病学習を含む地域の環境学習等を促進するために、授業で活用しやすいよう配慮され、かつ、それぞれの地域の光と影を反映させた教材を制作し、それらを広く情報発信することを目的としています。

ステップ ❶ 新潟水俣病の経緯を調べる

 

阿賀野川流域で発生した新潟水俣病の複雑な経緯について、これまで様々な観点から調べられてきました。本プロジェクトでも、小・中学生向けの内容を調査・整理しました。


ステップ ❷ 検証(モデル)授業を行う

 

小・中学生にもわかりやすく整理した内容をもとに、新潟市内の小・中学校の協力を得て検証(モデル)授業を実施して、教材内容のアウトラインを確定させました。


ステップ ❸ 実際に教材を作成する

 

上記の検証授業で確定させた教材内容のアウトラインにもとづき、新潟水俣病学習用教材の本体版及び概要版が制作されました。


 

 

2019(平成31・令和元年)年度 プロジェクトの実施体制について

本プロジェクトの実施に当たり、2018年度に「阿賀町教育委員会」「阿賀町役場」「昭和電工株式会社」「一般社団法人あがのがわ環境学舎」「学校法人日本自然環境専門学校」の5団体で結成した「ESD-SDGsコンソーシアム」に、新たに「新潟市教育委員会」「新潟市保健衛生総務課」が参画しました。

新潟市教育委員会


教材の監修・検証や市内学校との調整を担当します。

ホームページへのリンク

新潟市役所(保健衛生総務課)


新潟水俣病に関する知見の整理や教材の監修を担当します。 

ホームページへのリンク

あがのがわ環境学舎


コンソーシアムの事務局機能と教材作成を担当します。

ホームページへのリンク

阿賀町役場・阿賀町教育委員会


阿賀町に関する知見の整理や教材の監修を担当します。

ホームページへのリンク

昭和電工株式会社


鹿瀬工場などの歴史的な知見の整理を担当します。

ホームページへのリンク

日本自然環境専門学校


ESD及びSDGsに関する専門的な知見の整理を担当します。
ホームページへのリンク

ESD-SDGsコンソーシアム全体会議

7団体が参集して、プロジェクトの方向性を討議・決定する会議です。2019年度は年3回開催します。
 

 

以上、プロジェクトの全体像を紹介しました。

なお、これらのプロジェクトを推進していくに当たり、「関東地方ESD活動支援センター」(関東ESDセンター)から様々なアドバイス・サポートをいただきました。

 
 
 
関東地方ESD活動支援センターは、関東ブロック(1都9県:茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・山梨・静岡)におけるESD活動・実践者を支援し、地域ESD活動推進拠点(地域ESD拠点)と協働・連携した活動、さらに全国センターと協働・連携して地域と全国や海外との協働・連携を 支援しています。

 

また、繰り返し出てくる「ESD-SDGs」という概念ですが、下記のページで解説しています。

2020年度以降のプロジェクト等の運営主体・実施体制について

 

2020年以降は、文部科学省所管のユネスコ活動費補助金には公募せず、本ホームページの運営等は上記コンソーシアムの事務局機能を担っていた「一般社団法人あがのがわ環境学舎」が継続します。また、これまでのプロジェクトと関連したイベントや企画等は、新潟県などの行政や上記コンソーシアム参加団体などの多様な主体と連携して、様々な事業スキームを柔軟に活用しながら展開します。

 
 
 
一般社団法人あがのがわ環境学舎は、公害が発生した阿賀野川流域の地域再生を進める「阿賀野川流域地域フィールドミュージアム事業」(※阿賀野川え~とこだプロジェクト)を新潟県から受託運営する団体で、流域を舞台に環境学習を展開する「あがのがわ環境学習ツアー」を展開しながら、流域の地域資源を生かした様々な取組も推進しています。